NEW!【第76回 午前 94】患者さんの目線で解く!刺激−反応マトリクスの読み方

医療画像情報学

雑音中に信号を含む画像100枚と雑音のみの画像100枚を観察し信号検出を行い表のような刺激−反応マトリクスを得た。
陽性的中率〈PPV〉に最も近いのはどれか。

  1. 0.70
  2. 0.73
  3. 0.78
  4. 0.80
  5. 0.85

出典:厚生労働省公開PDF(令和6年版)


3.0.78


解説

✔ 表の言葉を「臨床の言葉」に翻訳する

問題文の「刺激」や「雑音」という言葉は少し難しく感じますね。これを病院での検査に置き換えてみましょう。

  • 刺激(実際の状態)
    • 信号+雑音 = 「実際に病気がある」
    • 雑音 = 「実際には病気がない(健康)」
  • 反応(読影者の診断)
    • 信号あり = 「陽性(病気がある)と診断された」
    • 信号なし = 「陰性(病気はない)と診断された」

これをもとに、表の4つの数字(70、30、20、80)を分類します。

  • 80(真陰性:TN):健康で、正しく「陰性」と診断された。
  • 70(真陽性:TP):病気があって、正しく「陽性」と診断された。
  • 30(偽陰性:FN):病気があるのに、見逃されて「陰性」と診断された。
  • 20(偽陽性:FP):健康なのに、間違えて「陽性」と診断された。

✔ 「陽性的中率(PPV)」の意味を考える

問題で問われている「陽性的中率(PPV:Positive Predictive Value)」とは何でしょうか?

これは、「『あなたは陽性(病気)です』と診断された人の中で、本当に病気だった人の割合」のことです。 つまり、患者さん目線で「お医者さんに陽性って言われたけど、これって本当に当たってるの?」という確率を表しています。

✔ 表から数字を拾って計算!

意味がわかれば、計算はとても簡単です。

  1. まず、「陽性(信号あり)」と診断された人全員の数を求めます。 表の「反応:信号あり」の縦の列を足し算します。
    • 「本当に病気の人(70)」+「健康なのに間違えられた人(20)」= 90人
  2. その90人の中で、本当に病気だった人(真陽性)の割合を計算します。
    • 70 ÷ 90 = 0.7777…

約0.78となるので、最も近い選択肢は 3番(0.78) となります!

✔ 引掛けの選択肢に注意!

  • 選択肢1の「0.70」
    • これは「感度(真陽性率)」の数字です。
    • 本当に病気の人(100人)のうち、何人を正しく陽性と見つけられたか?(70 ÷ 100 = 0.70)。
  • 選択肢4の「0.80」
    • これは「特異度(真陰性率)」の数字です。
    • 本当に健康な人(100人)のうち、何人を正しく陰性と判断できたか?(80 ÷ 100 = 0.80)。

出題者の“声”

この問題は、「感度」と「陽性的中率」の違いを正しく理解しているか試しておる。

「感度」は、病気を見逃さない(除外する)ための「医師(検査)目線の指標」じゃ。 一方「陽性的中率」は、陽性と言われた人が本当に病気である確率、つまり「患者目線の指標」なんじゃ。

表のアルファベット(TP / TP+FP など)を丸暗記して、試験本番で「タテだっけ?ヨコだっけ?」と迷うようではいけない。 「陽性と言われた人(タテの合計)の中で、本当に当たっていた人(真陽性)の割合」。この言葉の意味さえ分かっていれば、絶対に間違えないサービス問題なんじゃよ。


臨床の“目”で読む

がん検診(マンモグラフィなど)の現場では、この「陽性的中率(PPV)」が非常に重要な意味を持ちます。

たとえば、検診で「要精密検査(陽性)」という手紙を受け取った患者さんは、「私、ガンなんだ…」と不安いっぱいで病院にやって来ます。 しかし、検診は「少しでも怪しければ陽性にする(感度を高くする)」ため、実は「ガンではないのに陽性判定された人(偽陽性)」が非常にたくさん混ざっています。

つまり、検診の「陽性的中率(PPV)」は皆さんが思っているよりずっと低く、数%〜十数%程度しかないことも珍しくありません。「陽性と言われても、本当にガンである確率は実は低い」のです。


今日のまとめ

  1. 刺激−反応マトリクスは、病気の「あり/なし」と診断の「陽性/陰性」を表す表!
  2. 陽性的中率(PPV) = 「陽性と言われた人」の中で「本当に病気だった人」の割合!

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