MRCP像を示す。結石が存在するのはどれか。

- 主膵管
- 総肝管
- 総胆管
- 左肝管
- 右肝管
出典:厚生労働省公開PDF(令和7年版)
3.総胆管
解説
✔ MRCPとは?
- MRCP(磁気共鳴胆管膵管撮影)は、胆道・膵管などの液体構造をT2強調画像で白く(高信号)描出する非侵襲的検査です。
- その中に黒い影(低信号域)がある場合、それは結石や空気などの固形成分を疑う重要所見です。
✔ 今回の画像では?
- 総胆管内に丸く明瞭な低信号(黒)領域が認められ、典型的な結石所見と判断されます。

✔ 各選択肢について
1. 主膵管
- 十二指腸乳頭へつながる細い膵管。
- 画像右下に細く見える構造で、今回の黒影とは位置が異なる。
2.総肝管
- 左右肝管が合流した部位で、胆嚢管の上流側。
- 今回の病変はより下流の総胆管に位置。
3.総胆管
- 総肝管と胆嚢管の合流後の下流部。
- 結石が最も好発する部位のひとつ。
4.左肝管
- 肝臓左葉にある肝内胆管で、異常所見は認められない。
5.右肝管
- 肝臓右葉にある肝内胆管で、異常所見は認められない。
出題者の“声”

この問題では、MRCP画像を見て「黒い影=結石」と見抜けるか、そして「肝内胆管 → 総肝管 → 総胆管」の流れが理解できておるかを確認したかったのじゃ。
結石は信号を出さんから、白い胆管の中にぽっかり黒く抜けた影として現れるんじゃよ。
それとな、総胆管と総肝管の見分け方として大事なのが、胆嚢との合流点より上か下かなんじゃ。
ここを“なんとなくの位置”で選んでおるようでは、解剖の理解がまだまだ甘いかもしれんのう。
臨床の“目”で読む

総胆管結石は胆道系で最も頻度が高く、臨床的に重要な病変です。
MRCPは造影剤不要で胆道・膵管を評価でき、閉塞・狭窄・結石のスクリーニングに最適。
ポイントは、高信号(白)の中に抜ける黒い影=結石の可能性と判断すること。
また、「どの管にあるか」を正しく判断するには、分岐・合流の位置関係をしっかり理解することが大切です。
特に、胆嚢管との合流より上なら総肝管、下なら総胆管。この原則は、MRCP読影の基本中の基本です。
キーワード
- MRCP(磁気共鳴胆管膵管撮影)
- 総胆管結石
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