I.I.の性能評価項目で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 最大輝度
- 変換係数
- 輝度均一性
- 時間分解能
- 量子検出効率
出典:厚生労働省公開PDF(令和7年版)
2.変換係数
5.量子検出効率
解説
この問題は、I.I.(イメージインテンシファイア)という装置が、「何をするための機械なのか」、その本質的な「性能(スペック)」をどう数値化するかを問う問題です。
✔ I.I.の仕事は「暗いX線を、明るい光に変える」こと 💡
I.I.は、患者さんを透過した微弱なX線を、私たちが目で見える(カメラで撮れる)強力な光に増幅する装置です。 したがって、I.I.の性能評価の主役は、「どれだけ効率よく、明るくできたか?」という点に集約されます。
✔ 2つの「主役」指標
- 変換係数
- 意味:「入力(X線)」対「出力(光)」の比率です。
- イメージ:車で言う「燃費」です。少ないガソリン(X線)で、どれだけ沢山走れる(明るく光る)か。これが高いほど、少ない被ばくで明るい画像が得られる「高性能なI.I.」です。
- 定義:出力輝度〔cd/m2〕/入射線量率〔µGy/s]
- 量子検出効率 (DQE)
- 意味: X線の情報を、どれだけロスなく捕まえられたか。
- イメージ:ザルの目の細かさです。DQEが高いほど、情報をこぼさずキャッチできるため、ノイズの少ないきれいな画像になります。これはFPDでも共通する最重要指標です。
✔ 各選択肢について
1. 最大輝度
- ❌ 誤り
- 「どれだけ眩しく光れるか(MAX値)」は、性能評価の指標ではありません。重要なのは、MAXの明るさではなく、少ないX線で効率よく光る「変換効率(変換係数)」の方です。
2.変換係数
- ✅ 正解
- 解説の通り、I.I.の増幅能力を示す、最も基本的な性能指標です。
3.輝度均一性
- ❌ 誤り
- これは「画面の真ん中と端っこで明るさにムラがないか」を見るもので、性能というよりは画質のチェック項目(または不変性試験項目)です。I.I.そのものの「能力(スペック)」を表す代表値ではありません。
4.時間分解能
- ❌ 誤り
- I.I.自体はアナログの真空管であり、光速に近い速さで電子が飛ぶため、実質的に遅れはありません。透視のパラパラ漫画の滑らかさ(時間分解能)を決めるのは、I.I.の後ろに続くカメラやモニタの性能です。
5.量子検出効率
- ✅ 正解
- 検出器がいかに効率よく信号を取り込めるかを示す、普遍的な性能指標です。
出題者の“声”

この問題の狙いは、「I.I.の本質=増幅器」であることを理解しておるか、という点にある。
増幅器である以上、最も重要なスペックは「入力に対して、どれだけ出力が出るか(ゲイン)」じゃ。それが「変換係数」。 そして、検出器である以上、「情報をどれだけ取りこぼさないか」も重要。それが「DQE」。
「輝度均一性」や「最大輝度」といった、もっともらしい言葉に惑わされず、この2大・本質スペックを選べるか。そこが分かれ目じゃ。
臨床の“目”で読む

ーなぜ「変換係数」が下がるとヤバイのか?ー
I.I.は真空管なので、何年も使っていると徐々に劣化します(変換係数が下がる)。 すると、どうなるでしょうか?
- I.I.「最近、調子が悪くて、同じX線量じゃ暗くしか光れないよ…」
- X線装置「画像が暗いぞ!もっとX線を出して明るさを維持しろ!(AEC機構)」
- 結果:患者さんと術者の被ばく線量が激増する。
つまり、変換係数(I.I.の元気さ)を管理することは、画質だけでなく、「被ばく低減」のために極めて重要なのです。
現在、多くの施設でFPDへの置き換えが進んでいますが、FPDは「経年劣化で感度が落ちにくい(変換係数が下がらない)」という点でも、I.I.より優れていると言えます。
今日のまとめ
- I.I.の性能評価の2大指標は、変換係数と量子検出効率(DQE)。
- 変換係数は、「入力(X線)」に対する「出力(光)」の比率であり、I.I.の増幅能力を示す。
- DQEは、X線情報の取り込み効率を示す。
- I.I.の変換係数が下がると(劣化すると)、画像を明るく保とうとして被ばく線量が増加してしまう。



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