三次元画像に含まれないのはどれか。
- 仮想内視鏡
- 表面表示画像
- 最大値投影画像
- 仮想単色X線画像
- ボリュームレンダリング画像
出典:厚生労働省公開PDF(令和7年版)
4.仮想単色X線画像
解説
この問題は、CTやMRIで作られる様々な画像が、「どうやって作られているか」その作り方を理解しているかを問う問題です。
✔ 「三次元画像」の定義とは?
ここでいう三次元画像(3D画像)とは、CTなどで撮影した「薄い輪切り画像(2D)の束」全体(=体積データ、ボクセルデータ)を使って、コンピュータで立体的な処理を行って作成する画像のことです
✔ 3D画像(体積処理)の仲間たち
- 仮想内視鏡 (VE)
- 輪切りの束(体積)の中を、内視鏡カメラのように腸管の中を進んでいく視点で作る画像。
- 表面表示画像 (SR)
- 輪切りの束(体積)から、骨や皮膚などの表面だけを抽出して作る立体モデル画像。
- 最大値投影画像 (MIP)
- 輪切りの束(体積)をある方向から透視し、その経路上で最もCT値が高い(最も白い)点だけを選んで作る画像。造影された血管を描出するのに使います。
- ボリュームレンダリング画像 (VR)
- 輪切りの束(体積)全体に、半透明の色や不透明度を割り当てて、奥行きを表現する最も代表的な3D画像。
これら4つはすべて、「輪切りの束(体積)」を入力データとして必要とします。
✔ 仲間はずれはどれ?
- 4. 仮想単色X線画像
- これは、デュアルエナジーCTという特殊な撮影(例: 80kVと140kVの2種類のエネルギーで同時に撮る)で得られた「2Dの輪切り画像」を基に、「エネルギーの差」を計算して作り出す、新しい「2Dの輪切り画像」です。 立体的な処理(束)は一切使っておらず、あくまでも2D画像上での「エネルギーの計算処理」です。
出題者の“声”

この問題は「流行りのデュアルエナジーCT、知ってるかね?」と、学生の知識を試すような問題じゃな。
最大のワナは、「仮想内視鏡」と「仮想単色X線画像」という、「仮想(Virtual)」という名前が共通しておること。
名前が似ているからと同じ仲間だと早合点する者は、まんまとワナにはまる。
この問題の本質は、 「VR、MIP、VEは、体積(3D)を処理して作る画像」 「仮想単色X線画像は、エネルギー(物理)を処理して作る画像」 という、処理の次元の違いを理解しておるか、ということなのじゃ。
臨床の“目”で読む

ー臨床で働いている技師なら2秒で解ける?ー
臨床現場ではこれらの画像処理は日常業務であるため、この問題を落とす放射線技師はおそらくゼロだと思います。これらの画像処理の目的は以下の通りです。
- 3D画像 (MIP, VR, VE) を使う目的
- 「骨や血管の形や立体的な位置関係(走行)を見たい」
- 例: 外科医が手術前に、血管がどこを走っているか確認する
- 「骨や血管の形や立体的な位置関係(走行)を見たい」
- 仮想単色X線画像 (2D) を使う目的
- 「輪切り画像の画質を改善したい」
- 例: 金属アーチファクトを消したい、造影剤をもっと白く見せたい
- 「輪切り画像の画質を改善したい」
このように、一方は「空間(3D)」を、もう一方は「エネルギー(画質)」を扱っており、全くの別物です。 デュアルエナジーCTで作る仮想単色X線画像は、3D画像ではありませんが、金属アーチファクトの低減や造影効果の強調など、臨床診断の質を上げる非常に強力な「2D画像処理技術」なのです。
今日のまとめ
- 三次元画像(3D画像)とは、CTなどで得られた「輪切りの束(体積データ)」を処理して作成する画像である。
- 仮想内視鏡、表面表示、MIP、VRは、すべてこの体積データを使う3D画像の仲間。
- 仮想単色X線画像は、デュアルエナジーCTのデータ(2種類のエネルギー)を用いて、2D画像上で「エネルギーの計算」を行う2D画像処理であり、3D画像ではない。



コメント