焦点サイズが0.1 mmのX線管を使用して拡大撮影を行う。
半影を0.2 mmまで許容できるとき、最大となる拡大率[倍]はどれか。
- 1.5
- 2.0
- 2.5
- 3.0
- 3.5
出典:厚生労働省公開PDF(令和7年版)
4.3.0
解説
この問題は、「拡大撮影をすると、画像はボケる(半影ができる)」という宿命に対し、「許容できるギリギリの倍率はいくつか?」を計算させる問題です。
✔ 幾何学的不鋭(半影)の公式 📐
拡大撮影におけるボケ(半影:H)は、以下の要素で決まります。
- 焦点サイズ (F): 光源が大きいほどボケる。
- 拡大率 (M): 拡大するほどボケる。
これを結びつける「黄金の公式」がこれです。
H = F× (M – 1)
(ボケの大きさ = 焦点サイズ × (拡大率 − 1)
✔ 計算ステップ
問題文の数値を、公式に当てはめるだけです。
- 半影 (H) = 0.2 mm
- 焦点 (F) = 0.1 mm
- 拡大率 (M) = ?(これを求める)
出題者の“声”

この問題は、「拡大撮影の公式(半影の式)」を道具として使いこなせるかを見ておる。
この公式 H =F (M – 1) は、放射線技師国家試験合格には必須の知識じゃ。
「焦点0.1mmで、ボケを0.2mmまで許す」
これはつまり、「ボケが焦点の2倍の大きさになってもいいよ」と言っておるのと同じじゃ。
(M – 1)が「2」になればいいのじゃから、拡大率 M は「3」になる。
式変形をしなくても、この比率の感覚だけで解けるようになれば、合格じゃ。
臨床の“目”で読む

ーなぜ「0.1mm」の焦点が必要なのか?ー
通常の撮影(焦点1.0mmなど)で拡大撮影をすると、ボケ(半影)が巨大になりすぎて、診断価値のない「ピンぼけ写真」になってしまいます。 だからこそ、拡大撮影には微小焦点(0.1mm以下)が必須なのです。
- マンモグラフィの拡大撮影
- 乳がんの初期症状である微細石灰化(砂粒のようなカルシウム)を見つけるために、スポット拡大撮影を行います。このとき、0.1mmという極小の焦点を使うことで、1.5〜1.8倍に拡大しても、石灰化の粒をクッキリと写し出すことができます。
- 血管造影(アンギオ)
- 脳動脈瘤のコイル塞栓術など、非常に細かい血管を見る場合も、微小焦点を使って拡大し、詳細な血管構造を描出します。
「拡大率を欲張りすぎると、ボケて見えなくなる」。 このトレードオフ(限界点)を計算で予測するのが、この問題の臨床的な意義です。
今日のまとめ
- 拡大撮影のボケ(半影)の公式は、H = F (M – 1)
- 計算:0.2 = 0.1(M – 1) を解くと、M = 3
- 「拡大率−1」を焦点に掛けるのがポイント。
- 臨床では、マンモグラフィや血管造影で、微小焦点を用いてボケを抑えながら拡大撮影を行っている。


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