JIS で規定する直接撮影用 X 線装置の不変性試験で誤っているのはどれか。2つ選べ。
- 誤動作が疑われるときに不変性試験を行う。
- 不変性試験の基礎値は受入試験時に設定する。
- 最初の不変性試験は受入試験の 6 か月後に行う。
- 不変性試験の結果は少なくとも 2 年間保存する。
- 試験対象になる性能パラメータに影響する保守を行った直後に不変性試験を行う。
出典:厚生労働省公開PDF(令和6年版)
2.不変性試験の基礎値は受入試験時に設定する。
3.最初の不変性試験は受入試験の 6 か月後に行う。
解説
✔ 「不変性試験」ってなに?
人間でいうところの「定期健康診断」です。 装置が導入された直後の性能(健康状態)が、時間が経っても「変わっていないか(不変か)」を確認するための試験です。
ここでのポイントは、「受入試験(導入時の厳密な試験)」とは別物であるという点です。
✔ 各選択肢について
1.誤動作が疑われるときに不変性試験を行う。
- ❌ 誤り(正しい)
- 「あれ? おかしいな?」と思った時は、すぐにチェックするのが鉄則です。定期点検の時期でなくても実施します。
2.不変性試験の基礎値は受入試験時に設定する。
- ✅ 正解(誤り)
- 「基礎値(ベースライン)」とは、今後の比較対象となる基準の数値のことです。
- JIS規格では、この基礎値は「最初の不変性試験の値」または「今までの試験の平均値」と定義されています。 「受入試験の値」をそのまま使うのではありません。受入試験が終わった後、「さあ、これから日常管理を始めるぞ」というタイミングで行った最初の不変性試験の結果を基準にします。
3.最初の不変性試験は受入試験の 6 か月後に行う。
- ✅ 正解(誤り)
- 不変性試験の頻度はすべての項目において「3か月」ごとに行うよう規定されています。
- 受入試験が終わったら、速やかに最初の不変性試験を行って基礎値を決め、その後は3か月以内に定期チェックを行います。
4.不変性試験の結果は少なくとも 2 年間保存する。
- ❌ 誤り(正しい)
- 医療法施行規則などとも整合性が取れています。記録は最低2年間保存し、監査などで提示できるようにしておかなければなりません。
5.試験対象になる性能パラメータに影響する保守を行った直後に不変性試験を行う。
- ❌ 誤り(正しい)
- 例えば、X線管を交換したり、高電圧発生装置の基板を修理したりした場合です。 修理によって性能が変わっている可能性があるため、直後に試験を行い、正常であることを確認します(場合によっては基礎値を再設定します)。
出題者の“声”

この問題は、「受入試験」と「不変性試験」をごちゃ混ぜにして覚えていないかを問うておる。
- 受入試験:メーカーから引き渡された時に行う、超厳密な「誕生時のチェック」。
- 不変性試験:ユーザー(技師)が定期的に行う、簡易的な「健康診断」。
この2つは目的も手法も違うのじゃ。だから、基準(基礎値)もそれぞれで設定せねばならん。 そして何より「3か月」という数字じゃ。 JIS規格において、不変性試験の頻度は「3か月を超えない期間ごと」と決まっておる。
品質管理の基本スケジュールは、技師として絶対に叩き込んでおくのじゃ!
臨床の“目”で読む

現場では、この不変性試験を「日常点検(始業前点検)」と「定期点検」に分けて実施しています。
- 毎朝のルーチン(簡易チェック)
- 毎朝、装置の電源を入れたら、ファントム(模型)を撮影して「濃度がズレていないか」「異物が写っていないか」を確認します。これも広い意味での不変性試験の一つです。
- 3か月に1回のガチ点検
- そして、JIS規格が求める厳密な不変性試験(管電圧の正確さや、照射野のズレなど)は、3か月ごとに行うことが多いです。
- X線出力:±20%以内
- 距離計(SID):±1%以内 といった細かい数値を測定器を使ってチェックします。
- 「基礎値」のリセット
- 選択肢5にある「保守を行った直後」というのは、臨床でもよくあるシチュエーションです。 X線管を新品に交換すると、X線の出力が上がります。 そうすると、今までの基礎値とズレて「異常」と判定されかねません。 だから、部品交換をした時は「ここからが新しいスタート」として、基礎値を設定し直す(リセットする)作業が必要になるのです。
今日のまとめ
- 不変性試験の頻度は「3か月」以内。
- 基礎値(基準)は「最初の不変性試験の値」で決める(受入試験の値ではない!)。
- 修理や部品交換の後は、必ず試験を行って確認する。
- 記録は2年間保存が義務。



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