【第76回 午前 18】右か左か勝負の分かれ道!エコー走査の必勝パターン

第76回

超音波検査で臓器と走査法の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 膵 臓 ―――― 心窩部横走査
  2. 胆 嚢 ―――― 左季肋部縦走査
  3. 脾 臓 ―――― 左肋間走査
  4. 肝臓 S2 ―――― 右肋間走査
  5. 肝臓 S5 ―――― 心窩部縦走査

出典:厚生労働省公開PDF(令和6年版)


1.膵 臓 ―――― 心窩部横走査

3.脾 臓 ―――― 左肋間走査


解説

✔ エコーは「のぞき窓(音響窓)」を探すゲーム

超音波は、骨や空気(肺・腸管ガス)が大の苦手です。 だから、邪魔者がいない場所(のぞき窓)からプローブを当てる必要があります。 この問題は、各臓器の「位置(右か左か)」と「窓」が合っているかを確認するだけのシンプルな問題(決して難しくない)です。


✔ 各選択肢について

1.膵 臓 ―――― 心窩部横走査

  • 正解
  • 膵臓は、おへその上(心窩部・みぞおち)の深いところを、左右に横たわっています。
  • そのため、みぞおちにプローブを「横」に当てて、脾静脈などを目印にして全体を観察します。

2.胆 嚢 ―――― 左季肋部縦走査

  • 誤り
  • 解剖の基本! 胆嚢は「右側」(肝臓の裏)にあります。
  • 「左」季肋部(左の肋骨の下)から見ても、見えるのは脾臓や左腎臓です。

3.脾 臓 ―――― 左肋間走査

  • 正解
  • 脾臓は、身体の「左側」の一番奥、肋骨の下に隠れています。
  • お腹側から見ようとしても、胃や腸のガスが邪魔して見えません。 だから、「左の肋骨と肋骨の間(肋間)」からプローブを差し込むようにして観察します。

4.肝臓 S2 ―――― 右肋間走査

  • 誤り
  • ここから肝区域(クイノー分類)の登場ですが、難しく考える必要はありません。
  • S2(外側区域・上区):肝臓の「左葉」の端っこ(心臓に近い側)です。
  • 右肋間:肝臓の「右葉」を見るための窓です。
  • S2を見るなら、心窩部からの走査が正解です。

5.肝臓 S5 ―――― 心窩部縦走査

  • 誤り
  • S5(前区域・下区):肝臓の「右葉」の下の方(胆嚢の近く)です。
  • 心窩部縦走査:体の真ん中から、大動脈や肝臓の「左葉」を見るための窓です。
  • S5を見るなら、季肋部走査(肋骨弓下走査)や肋間走査が正解です。

出題者の“声”

この問題を見て「うわっ、S2とかS5とか分からん!」とパニックになった学生がおるかもしれんのう。 わしのにまんまとはまったな。

しかし、落ち着いてよく見るんじゃ。

この問題は「左」か「右」か、そのシンプルな解剖理解だけで解ける優しい問題じゃ。 膵臓は真ん中、胆嚢は右、脾臓は左。 そして肝臓のクイノー分類も、細かい場所は置いといて、 「S1〜S4が左葉、S5〜S8が右葉」 これくらいは覚えておいてほしいのじゃ。

難しそうな専門用語(S番号)は、学生を威嚇するための「罠」に過ぎん。 惑わされず、基本に忠実であれば必ず正解にたどり着けるぞ。


臨床の“目”で読む

現場の技師にとって、解剖の理解と同じくらい大事なのが「呼吸のコントロール」です。

  • 膵臓との戦い
    • 選択肢1の「心窩部横走査」。言葉にすると簡単ですが、実際は胃ガスが邪魔して一番見えにくい場所です。 息を吸ってもらったり、あるいは座って水を飲んでもらって胃を透音窓にしたり(水充満法)、あの手この手を使って膵臓を描出します。
  • 脾臓のコツ
    • 選択肢3の「左肋間走査」。 ここは肺が被りやすい場所です。 大きく息を吸うと、肺が下がってきて脾臓を隠してしまうことがあります。 だから脾臓を見る時は、逆に「息を吐いて止めて」もらうことがあります。
  • 肝区域(S番)の重要性
    • 今回は「右か左か」で解けましたが、臨床では「肝区域(クイノー分類)」がめちゃくちゃ重要です。 「肝臓に腫瘍があります」とレポートに書くのと、「S5に腫瘍があります」と書くのでは、レポートの質や医師とのコミュニケーションが段違いです。 まずは右・左から始めて、いずれはS1〜S8まで言えるようになりましょう!

今日のまとめ

  1. 膵臓は「みぞおち(心窩部)」から横走査で見る。
  2. 脾臓は「左の脇腹」から肋間走査で見る。
  3. クイノー分類は「S1~4=左、S5~8=右」

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