DICOM 規格に関係ないのはどれか。
- ICD-10
- サービスクラス仕様
- 情報オブジェクト定義
- トランスファーシンタックス
- コンフォーマンスステートメント
出典:厚生労働省公開PDF(令和6年版)
1.ICD-10
解説
✔ 「ICD-10」だけはWHO(世界保健機関)の持ち物!
DICOM(ダイコム)とは、CTやMRIなどの「医用画像」を通信・保存するための世界標準規格です。 「画像データをどう送るか?」という通信のルールです。
一方、ICD-10(国際疾病分類 第10版)は、WHO(世界保健機関)が定めた「病気の分類コード」です。
- 「C34.9」➡ 肺がん
- 「I21.9」➡ 急性心筋梗塞
これは、カルテ記載、レセプト(診療報酬請求)、死亡診断書などで世界共通で使われる「病名のカタログ」です。 画像の通信規格(DICOM)の中身とは、全く関係がありません。 よって、これだけが「部外者」です。
✔ ストーリーで覚えるDICOM用語
残りの選択肢は、すべてDICOM規格書の中に登場する専門用語です。 これらはバラバラに覚えるのではなく、「郵便(データ)を送る手順」に例えて順番に覚えると、役割がスッキリ見えてきます。
【手順1】 送る「モノ」を決める:情報オブジェクト定義(IOD:Information Object Definition)
- 役割:名詞
- 意味:「手紙を送るの? 小包を送るの?」 まず、送る中身を定義します。DICOMでは「CT画像」「MRI画像」「患者情報」などがこれにあたります。
【手順2】 それを「どうするか」決める:サービスクラス仕様(Service Class)
- 役割:動詞
- 意味:「その手紙を、ポストに入れたい(送りたい)の? 検索・取得したいの?」 対象に対して行う行為を定義します。DICOMでは「保存(Storage)」「検索・取得(Query/Retrieve)」などの機能(サービス)を指します。
- 重要ポイント:SOPクラス
- 「モノ(IOD)」と「行為(Service)」がペアになって初めて通信が成立します。 CT画像(IOD) + 保存する(Service) = 「CT画像保存(SOP Class)」 この「SOPクラス」という言葉も国試頻出です!
【手順3】 送り方の「文法」を決める:トランスファーシンタックス(Transfer Syntax)
- 役割:文法・形式
- 意味:「日本語で書く? 英語で書く? 圧縮して小さくする?」 データの並べ方や圧縮形式のルールです。 「リトルエンディアン(並べ方)」「JPEGロスレス圧縮」などがこれにあたります。お互いが同じ文法を知らないと、受け取っても読めません。
【手順4】 最後に、お互いの「自己紹介」を見せ合う:コンフォーマンスステートメント(Conformance Statement)
- 役割:仕様書・適合性宣言
- 意味:「私は日本語の手紙しか読めません」「私は小包も受け取れます」 これは、その装置ができることを書いたプロフィール帳(仕様書)です。 新しい装置をつなぐ時は、必ずお互いのこの書類を見せ合って、「話が通じる相手か」を確認します。
出題者の“声”

この問題は、単なる暗記テストではないぞ。 「DICOM=医用画像の保存・表現・通信の規格」という大きな枠組みを、用語レベルで正確に整理できているかを測るための基本確認なんじゃ。
国家試験では、細かい定義以上に、以下の3点を理解しているかが重要視されておる。
- DICOMの中身(何で構成されるか:IODやSOPなど)
- DICOMの外側にある規格(何と混同しやすいか:今回はICD-10)
- 現場での運用(どうやって繋ぐか:相互接続・互換性の担保)
これらを一問で見極めるために、あえて「仲間外れ探し」をさせたわけじゃな。 「通信の話」と「病気の話」をごちゃ混ぜにしてはいかんぞ。
臨床の“目”で読む

現場では、この2つは全く違う場面で登場します。
- 装置導入時は「コンフォーマンスステートメント」
- 新しいCTを入れる時、院内のサーバー担当者(またはメーカー)とこんな会話をすることになります。 「今度入るCTのコンフォーマンスステートメント、送ってください」 「サーバー側がJPEG圧縮(トランスファーシンタックス)に対応してるか確認しますね」 これが合わないと、画像が送れなかったり、開けなかったり大変なことになります。DICOM用語は、接続テストの時の「共通言語」です。
- 検査・会計時は「ICD-10」
- 一方、ICD-10は「放射線科受付」や「医事課」との関わりが深いです。 「この病名コードだと、造影検査は保険適用外になっちゃいますよ」 みたいに、検査の正当性やお金(診療報酬)に関わるのがICD-10です。
今日のまとめ
- ICD-10:WHOが決めた「病気の分類コード」。
- DICOM:医用画像の通信規格。以下の順で覚えよう。
- IOD(モノを決める)
- Service Class(何するか決める)
- Transfer Syntax(文法・圧縮ルールを決める)
- Conformance Statement(これらができることを宣言する書類=互換性の担保)



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