フーリエ変換は、式 で表される。
この式の核関数である は Euler〈オイラー〉の公式を用いるとどのように書けるか。
ただし、u:空間周波数、x:位置、f(x):空間関数、F(u):f(x)のフーリエ変換、i:虚数単位とする。
出典:厚生労働省公開PDF(令和6年版)
4.
解説
✔ 見た目で逃げない! これは「間違い探し」だ
問題文には、長くて難しい積分の式が書いてありますが、これらは全て「飾り」です。 聞かれているのは、たったこれだけ。
「 を別の書き方に直せますか?」
ここで登場するのが、数学界で最も美しいと言われる「オイラーの公式」です。 教科書的な定義はこうです。
覚え方は、「e の肩に i が乗っていたら、コサイン + アイ・サイン」。これだけです。今回の問題は、肩に乗っているのが「プラス」ではなく「マイナス(−i)」になっていますね。ここが運命の分かれ道です。
✔ プラスならプラス、マイナスならマイナス
オイラーの公式には、超シンプルなルールがあります。
- 肩がプラスなら、真ん中もプラス
- 肩がマイナスなら、真ん中もマイナス
今回の問題を見てみましょう。
しっかりとマイナスがついています。(※ 2πux という長い文字は、全部まとめて θ という「中身」だと思って無視してください!)
よって答えは、真ん中がマイナスになっているもの。
さらに、オイラーの公式には必ず虚数単位「i」が必要です(アイ・サイン)。
- 選択肢1, 2 ➡ 「i」がないので論外。
- 選択肢3 ➡ 真ん中が「プラス」なので不正解。
- 選択肢4 ➡ 真ん中が「マイナス」で「i」がある。これが正解
出題者の“声”

この問題を見て「数学無理!」とあきらめてしまった者もおるかもしれん。 しかし、あえてこの問題を出したのは、「MRIの生データ”の正体」を知っておいてほしいからじゃ。
MRIで撮影したデータ(k空間データ)は、実はこの式のように「複素数(実部と虚部)」で記録されておる。
- 実部 = コサイン成分
- 虚部 = サイン成分
この2つが合わさっているからこそ、MRIは画像の「信号値」だけでなく、「位相」の情報も持てるんじゃ。 数式を解けとは言わん。ただ、「画像は波(サイン・コサイン)の集まりでできている」というデジタル画像の根源を、この式を通して感じ取ってほしいんじゃよ。
臨床の“目”で読む

この数式、実は「MRI画像そのもの」を表しています。現場では次のように使い分けられています。
- 普段見ているのは「絶対値画像」
- 私たちが診断で使う白黒画像は、オイラーの公式の実部(cos)と虚部(sin)を計算して、信号の強さだけを取り出したものです(√(実部²+虚部²)。複雑な計算の結果、あの見やすい画像ができあがります。
- 角度を見る「位相画像」
- 一方、信号の強さではなく「ズレ(角度)」を画像化したのが位相画像です。血流速度を測る検査や、脂肪と水を分ける(Dixon法)ときには、この「オイラーの公式の角度成分」が主役になります。
- 「ゴースト」は計算のズレ
- 体動などでデータがズレると、計算が合わなくなって画像にゴーストアーチファクトが現れます。「画像は波(sin, cos)の計算でできている」と知っていれば、アーチファクトの原因も「ただの計算ミス(位相エラー)なんだな」と論理的に理解できます。
今日のまとめ
- 難しい積分記号は無視! これは「オイラーの公式」の形当てクイズ。
- (コサイン + アイ・サイン)。
- 肩がマイナスなら、真ん中もマイナスになる。
- この式は、MRIデータが「実部(cos)」と「虚部(sin)」でできていることを表している。



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