下図に示す放射線のエネルギーピークのFWHMはどれか。

- a
- b
- c
- d
- e
出典:厚生労働省公開PDF(令和6年版)
4.d
解説
✔ 「FWHM」の正体を直訳で暴く!
FWHMは、日本語で「半値全幅(はんちぜんぷく)」と呼ばれます。 この言葉は、以下の英単語の頭文字をとったものです。
- Full(フルの、全体の) ➡ 全
- Width(幅) ➡ 幅
- at
- Half(半分の) ➡ 半
- Maximum(最大値) ➡ 値(最大値)
これを後ろから順番に読むと「最大値の、半分の高さにおける、全体の幅」となります。 これがFWHMの全てです!
✔ グラフを順番にたどってみよう
英単語の意味が分かったら、あとはグラフ上でその順番通りに探すだけです。
- Maximum(最大値)を探す
- 山のてっぺんの高さ(計数値の最大値)は、グラフの矢印 「b」 ですね。
- Half(半分の高さ)を探す
- 最大値「b」の、ちょうど半分の高さ(b ÷ 2)を示している矢印は 「e」 です。
- Full Width(全体の幅)を探す
- 半分の高さ「e」のライン上にある、山の左側から右側までの「全体の幅」を示している矢印は 「d」 です。
よって、「最大値の半分の高さにおける全体の幅(FWHM)」は d となり、正解は 4番 になります。
✔ 他の記号は何を意味しているの?
b = ピーク計数(最大値):山の一番高いところです。
e = 半値:最大値の半分の「高さ」です。(※幅ではありません!)
c = 半値半幅(はんちはんはば:HWHM):FWHMのさらに半分の「幅」です。中心から端までの距離です。
出題者の“声”

この問題は、「FWHMという言葉の本当の意味」を理解しているか試しておる。
ただ「エフ・ダブリュー・エイチ・エム」と呪文のように暗記していると、本番の緊張で「高さだったか? 幅だったか? 中心からだったか?」と迷ってしまう。 しかし、英語の意味(Full Width at Half Maximum)を知っていれば、間違えようがないんじゃ。
計測学において、このFWHMの幅は「エネルギー分解能(波高分解能)」を評価するための極めて重要な指標じゃ。グラフのどの部分を使って性能を評価しているのか、視覚的にバッチリ理解しておいてほしいんじゃよ。
臨床の“目”で読む

ーなぜ、わざわざ山の『半分の高さの幅』なんて測るの?ー
それは、この山の幅(FWHM)が狭ければ狭いほど、「優秀な検出器」だと言えるからです。
放射線のエネルギーを測る際、もしFWHMが広い(ふもとが広がった太っちょの山)と、隣り合う別の放射線の山とくっついてしまい、「これって1つの山? それとも2つの山?」と見分けがつかなくなってしまいます。 FWHMが狭い(針のようにスリムな山)検出器なら、エネルギーが近い2つの放射線も、綺麗に2つの山として分離(分解)できます。
- NaI(Tl)シンチレーション検出器:山が太っちょ(FWHMが広い=分解能が悪い)
- Ge半導体検出器:山が針のようにスリム(FWHMが狭い=分解能が極めて良い)
「FWHMが小さい = 分解能が良い(優秀!)」。 この関係性は、国家試験でも臨床現場の機器選びでも、絶対に欠かせない知識です!
今日のまとめ
- FWHM = Full Width at Half Maximum
- 日本語で「半値全幅」。
- 「最大値の半分の高さ」にある、山の「横幅」のこと!
- FWHMが小さい(狭い)ほど、検出器のエネルギー分解能は良い(優秀)!



コメント