NEW!【第76回 午前 87】股関節の側面を撮る!大腿骨頭を観察するための必須テクニック

エックス線撮影技術学

X線撮影体位を別に示す。撮影法で正しいのはどれか。

  1. Anthonsen〈アントンセン〉法
  2. Guthmann〈グースマン〉法
  3. Lauenstein〈ラウエンシュタイン〉法
  4. Rosenberg〈ローゼンバーグ〉法
  5. Stenvers〈ステンバース〉法

出典:厚生労働省公開PDF(令和6年版)


3.Lauenstein〈ラウエンシュタイン〉法


解説

✔ 画像から「どこを・どんなポーズで」撮っているか見抜く

まずは写真を見て、患者さんがどんな体勢をとっているか観察しましょう。

  • 患者さんは仰向け(背臥位)で寝ています。
  • 撮影したい側の足の膝を曲げ、外側にパカッと開いています。
  • 大腿(太もも)が、ベッドに対して「45度」くらいの角度になっています。
  • X線は、足の付け根(股関節)に向かって上から垂直に狙っています。

✔ ポーズと名前を一致させる

股関節の側面を観察するため、この撮影法を、Lauenstein(ラウエンシュタイン)法と呼びます。

なぜわざわざカエルのようなポーズをするのでしょうか? 普通に足を真っ直ぐ伸ばしたまま横から(真横から)撮ろうとすると、反対側の足の骨や骨盤が邪魔になって股関節が綺麗に写りません。 しかし、足を曲げてパカッと外に開くことで、大腿骨の付け根(大腿骨頭や大腿骨頸部)がゴロンと回転し、仰向けのまま上からX線を当てるだけで、綺麗に大腿骨の側面を写し出すことができるのです。


✔ 各選択肢について

1.Anthonsen〈アントンセン〉法

  • 誤り
  • 部位:足(踵骨・距骨下関節)
  • 足首の関節の隙間を斜めから狙って撮る方法です。

2.Guthmann〈グースマン〉法

  • 誤り
  • 部位:骨盤(側面)
  • 主に妊婦さんの骨盤の広さ(産道を通れるか)を測るために、骨盤を真横から撮る方法です。

4.Rosenberg〈ローゼンバーグ〉法

  • 誤り
  • 部位:膝関節
  • 膝を45度曲げて、後ろから前にX線を当てます。軟骨のすり減り具合を見るのに優れています。

5.Stenvers〈ステンバース〉法

  • 誤り
  • 部位:頭部(側頭骨・岩様部)
  • 耳の奥にある細かな骨の構造を見るための、頭の特殊な斜位撮影です。

出題者の“声”

この問題は、「臨床現場で毎日目にする超基本の体位」を、視覚的にきちんと理解しているか試しておる。

「ラウエンシュタイン法 = 股関節の側面」と文字だけで暗記していると、いざ写真を見せられた時に「あれ、どんなポーズだっけ?」とフリーズしてしまう。 この写真は、まさに今からX線を照射しようとしている「技師の目線」そのものじゃ。

教科書の文字情報と、目の前の患者さんのポーズをリンクさせること。それが、臨床に出たときに一番求められる能力なんじゃよ。


臨床の“目”で読む

股関節のレントゲンオーダーが出たとき、基本セットとなるのが「正面(AP)」と「ラウエンシュタイン(側面)」の2方向撮影です。

なぜ2方向必要なのでしょうか? 例えば、お年寄りが転倒して「大腿骨頸部骨折(足の付け根の骨折)」を疑う場合。 正面からの画像だけでは、骨のズレが前後に重なって隠れてしまい、骨折線が見えないことがあります。 しかし、ラウエンシュタイン法で側面を追加することで、隠れていたズレが明確に観察できるようになります。

また、小児の「大腿骨頭すべり症」という病気は、初期段階では正面画像には異常が出にくく、このラウエンシュタイン法で撮った画像で異常が見つかることがあります。 ラウエンシュタイン法は、整形分野の基本中の基本となる撮影方法です。


今日のまとめ

  1. 大腿骨の側面=ラウエンシュタイン法
  2. アントンセン ➡ 足首(踵骨)
  3. グースマン ➡ 骨盤(妊婦さんの骨盤計測)
  4. ローゼンバーグ ➡ 膝
  5. ステンバース ➡ 頭(耳の奥)

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