焦点ー被写体間距離を a、被写体ー検出器間距離を b、焦点サイズを F としたとき半影はどれか。

出典:厚生労働省公開PDF(令和6年版)
2. (b / a) × F
解説
✔ みんなが暗記している「あの公式」を確認!
半影(幾何学的ボケ)について以下の公式を暗記したはずです。
- 半影 H = (M − 1) × f (M:拡大率、f:焦点サイズ)
✔ 拡大率「M」を分解する
次に、拡大率 M の公式です。
拡大率は「全体の距離 ÷ 焦点から被写体までの距離」でしたね。 全体の距離は「a + b」なので、以下のようになります。
- M = (a + b) / a = 1 + b / a
✔ 公式を合体させると「1」が消える!
半影の公式の「M」の中に、「1 + b / a」を代入してみましょう。
- 半影 H = (M − 1) × F
- 半影 H = {(1 + b / a) − 1} × F = (b / a) × F
出題者の“声”

この問題は、「暗記した公式を、ただの丸暗記で終わらせず、パズルのように使いこなせるか」を試しておる。
「H = (M − 1) × f を覚えたぞ!」と満足していても、国家試験ではそのままズバリとは聞いてくれない。M(拡大率)の中に隠れている a と b を引っ張り出し、自力で数式を展開できるかが勝負の分かれ目じゃ。
計算の途中で「1」がフッと消えてなくなる瞬間、とても気持ち良かったじゃろう? 公式はバラバラに覚えるのではなく、こうやって繋ぎ合わせることで、初めて使える知識になるんじゃよ。
臨床の“目”で読む

最後に導き出した 「半影 = (b / a) × F」 の式は、私たち放射線技師が毎日患者さんを撮影する際の「ポジショニングの絶対ルール」を教えてくれています。
半影(ボケ)を小さくして、クッキリとした綺麗な写真を撮るにはどうすればいいでしょうか? 式を見ると、答えは3つあります。
- b を小さくする(患者さんをパネルに密着させる)
- 胸部でも骨折でも、撮影部位をカセッテ(検出器)にピタッとくっつけますよね。あれは「b」の距離を限りなく0に近づけて、分数の分子を小さくし、ボケをなくすためです。
- a を大きくする(X線管を遠ざける)
- 胸部撮影では、X線管を患者さんから2メートル(200cm)も離します。これは「a」の距離を大きくして、分数の分母を大きくし、値全体を小さくするためです。
- F を小さくする(小焦点を使う)
- 手の指やマンモグラフィなど、極めて微細な構造(ヒビや石灰化)を見たい時は、「小焦点(Fが小さい設定)」を使用します。
今日のまとめ
- 半影 H = (M − 1) × F
- 拡大率の公式:M = 1 + b / a
- ボケを減らすには:パネルに密着(bを小)、管球を遠ざける(aを大)、小焦点(Fを小)


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