NEW!【第76回 午前 92】CTDIとDLPの違いって? CT線量管理の基本をマスター

放射線安全管理学

DLPの単位で正しいのはどれか。

  1. mGy
  2. mSv
  3. mGy・cm
  4. mSv・cm
  5. mSv・cm⁻¹

出典:厚生労働省公開PDF(令和6年版)


3.mGy・cm


解説

✔ ベースとなる「CTDIvol」を知る

CTの被ばくを考えるとき、一番の基本となるのが「CTDIvol(体積CT線量指標)」という数値です。

これは、大まかに言うと「CTの輪切り1スライスあたりで、患者さんが受ける放射線のダメージ(吸収線量)」を表しています。 吸収線量なので、CTDIvolの単位は 「mGy(ミリグレイ)」 となります。

✔ 「DLP」のアルファベットを直訳してみる

しかし、実際のCT検査は輪切り1枚では終わりません。頭のてっぺんから首まで、あるいは胸から骨盤まで、ある程度の「長さ」を連続して撮影しますよね。

そこで、検査全体で患者さんが受けた「総被ばく量」を評価するために作られたのが DLP です。 DLPは以下の英語の頭文字をとっています。

  • Dose(線量 = CTDIvolのこと)
  • Length(長さ = 撮影した範囲の長さ)
  • Product(積 = 掛け算の答え)

つまりDLPとは、「線量(mGy)」に「撮影した長さ(cm)」を「掛け算」したもの、という意味になります!

✔ mSvとの違い

「mSv」 は、「実効線量」の単位です。 実効線量とは、放射線の種類や臓器の感受性(ダメージの受けやすさ)を考慮して、「全身への発がんリスク」を評価するための単位です。

CTで計算されたDLP(mGy・cm)に、撮影した部位(頭、胸、腹など)ごとの「変換係数(k係数)」を掛け算することで、患者さんに説明しやすい「実効線量(mSv)」を概算することができます。


出題者の“声”

この問題は、「CTの被ばく線量の指標を、意味を理解して使い分けられているか」を試しておる。

「mGyとmSvの違い」「CTDIとDLPの違い」。これらは現場の放射線技師が絶対に間違えてはならない基本中の基本じゃ。 アルファベットの羅列をただ記号として暗記するのではなく、「PはProduct(掛け算)だから、mGyとcmを掛けた単位になるんだな」と、理屈で導き出せるようになってほしいんじゃよ。


臨床の“目”で読む

ーDLPなんて、現場でいちいち計算するの?ー

いいえ、安心してください。CT検査が終わると、装置の画面に必ず「Dose Report(線量レポート)」という画面が自動的に表示され、そこに今回の検査の「CTDIvol」と「DLP」がバッチリ計算されて載っています。

現在、医療法によって「医療被ばくの線量管理・記録」が義務化されています。 放射線技師は、検査ごとにこのDose Reportを確認し、DLPの値が各施設の基準値(診断参考レベル:DRL)を大きく超えていないかを常にチェックしています。


今日のまとめ

  1. TDIvol:輪切り1枚分の線量。単位は mGy
  2. DLPDose(線量)× Length(長さ)の Product(掛け算)!
  3. DLPに「部位の係数」を掛けると、発がんリスクを表す「実効線量(mSv)」になる!

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