NEW!【第76回 午前 99】部屋と容器のルールを区別! 非密封RIの貯蔵に関する法律

放射線安全管理学

非密封放射性同位元素の貯蔵容器について医療法で定められているのはどれか。

  1. 容器は二重に施錠する。
  2. 液体の場合ろ紙を敷く。
  3. 許可なく持ち出すことを禁じる標識を付ける。
  4. 容器外の空気を汚染する恐れがある場合は貯蔵しない。
  5. 1mの距離における実効線量率が100 μSv・h⁻¹以下になるように遮へいする。

出典:厚生労働省公開PDF(令和6年版)


5.1mの距離における実効線量率が100 μSv・h⁻¹以下になるように遮へいする。


解説

✔ 問題の主語は「貯蔵容器(入れ物)」!

まず、問題文の主語が「貯蔵容器」となっていること確認してください。
非密封RI(液体や気体の放射性物質)は、こぼれたり蒸発したりする危険があるため、それを入れておく「容器(入れ物)」と、その容器を置いておく「施設(部屋や金庫)」のそれぞれに厳しいルールが定められています。
選択肢の中には、「部屋のルール」という引掛けがいくつも混ざっています。

✔ 暗記必須の数字「1mで100」

医療法では、放射線を出す物質を入れておく「貯蔵容器」について、外に漏れ出す放射線をしっかり遮へい(ブロック)するよう定めています。 その基準が「容器の表面から 1m の距離において、100 μSv/h 以下になるようにすること」です。


✔ 各選択肢について

1.容器は二重に施錠する。

  • 誤り
  • 施錠というのは、容器そのものではなく「貯蔵施設(保管する部屋や設備)」に対するルールです。
  • しかも、法律で求められているのは「鍵その他の閉鎖設備を設けること」であり、「二重に」という規定はありません。

2.液体の場合ろ紙を敷く。

  • 誤り
  • 非密封RIが液体の場合、容器は「液体がこぼれ難い構造」にすることが法律で定められています。
  • 現場の知恵として底に吸収材を敷くことはありますが、「ろ紙を敷きなさい」という具体的な法律の文言はありません。

3.許可なく持ち出すことを禁じる標識を付ける。

  • 誤り
  • 「許可なく〜」という警告の標識を貼るのは、容器ではなく「貯蔵施設(部屋)」の入り口などです。
  • 容器自体に付けなければならないのは、「放射性同位元素が入っていること(放射能マーク)」を示す標識です。

4.容器外の空気を汚染する恐れがある場合は貯蔵しない。

  • 誤り
  • 気体のように空気を汚染する恐れがあるRIであっても、必要な治療や検査のために貯蔵します。
  • 貯蔵しないのではなく、「空気を通し難い構造(気密構造)」の容器に入れて安全に貯蔵しなさい、というのが法律のルールです。

出題者の“声”

この問題は、「容器」と「施設」のルールをごちゃ混ぜに暗記していないかを試しておる。

「カギをかける」「持ち出し禁止の札を貼る」。これらはどう考えても「部屋」に対するアクションじゃろう? 小さな小瓶(容器)に錠を二重にかけたり、長い注意書きの札を貼ったりするのは現実的ではない。

法律の文章をただ字面で追うのではなく、「実際に病院でRIを管理する風景」を頭の中に思い浮かべれば、選択肢の不自然さにすぐに気がつけるはずじゃ。


臨床の“目”で読む

核医学検査(PETやSPECT)やアイソトープ治療を行う病院には、必ず厳重に管理された「貯蔵室(RI保管庫)」があります。

保管庫に入り、分厚い鉛でできた「貯蔵容器」の蓋を開けると、その中にその日患者さんに投与する液体のRI(非密封RI)が入った小さな小瓶(バイアル)が収められています。

この分厚い鉛の容器があるおかげで、私たちが浴びる放射線量は「1m離れれば100 μSv/h以下」という安全なレベルに抑えられています。もしこの遮へいが不十分だと、技師や看護師は大量に被ばくしてしまいますよね。


今日のまとめ

  1. 貯蔵容器の遮へいルール = 「1mの距離で 100 μSv/h 以下」

コメント