人体を構成する主要 4 大元素でないのはどれか。
- 塩素
- 酸素
- 水素
- 炭素
- 窒素
出典:厚生労働省公開PDF(令和7年版)
1.塩素
解説
✔ 主要 4 大元素とは?
人体を構成する元素のうち、質量の約96%を占めるたった4つの元素。それが「主要4大元素(4大構成元素)」です。
- 酸素(O): 約 65%
- 炭素(C): 約 18%
- 水素(H): 約 10%
- 窒素(N): 約 3%
これらは、体内の水や、タンパク質・脂質といった有機物の基本となる部品であり、生命活動を支える土台そのものです。
✔ 各選択肢について
1. 塩素
- ✅ 正解
- 体液の浸透圧調整や胃酸(塩酸)の成分として不可欠ですが、その割合は全体の約0.15%と微量です。そのため「主要」元素には含まれません。
2.酸素
- ❌ 誤り
- 人体の構成元素で最大の割合(約65%)を占める、まさに”筆頭”元素です。
3.水素
- ❌ 誤り
- 酸素に次いで原子の数が多く、質量の約10%を占めます。
- 水(H₂O)や有機物の重要な一員です。
4.炭素
- ❌ 誤り
- 有機物の「骨格」をなし、質量でも約18%を占める中心的な元素です。
5.窒素
- ❌ 誤り
- アミノ酸や核酸(DNA/RNA)の必須成分。
- タンパク質合成に不可欠で、約3%を占めます。
出題者の“声”

この問題では、「人体の化学的な構成」を量的なイメージで捉えられているかを見たかったのじゃ。
ただ元素名を覚えるだけでなく、「どの元素が、どのくらいの割合で、どんな役割か」という本質的な理解が問われておる。
中でも塩素は要注意じゃ。 「体にあって重要=主要な構成元素」という早とちり、これが一番の狙い目じゃな。塩素が体にとって必須なのは間違いないが、割合として圧倒的に少ない以上、「主要な構成元素」とは呼べぬのじゃ。
放射線技師にとって「体内にどんな元素が、どう分布しているか」という知識は、放射線の吸収や画像の成り立ちを理解する上で、すべての基本となるぞ。
臨床の“目”で読む

放射線診療において、人体を構成する元素は、画像コントラストや線量吸収に直接影響します。
- X線画像では、人体の大部分を占める酸素・水素・炭素など(原子番号が小さい元素)はX線を透過しやすいため、軟部組織は黒っぽく写ります。一方、骨のカルシウム(Ca)や造影剤のヨウ素(I)のような原子番号の大きい元素はX線を強く吸収し、白く高いコントラストを生み出します。
- MRIでは、体内に最も多く存在する原子の一つである水素原子(プロトン)の挙動を信号として捉えています。主要元素として「水素」が豊富に存在することが、MRIの原理そのものを支えているのです。
このように、人体の構成元素という基礎知識は、 「なぜ、画像は”このよう”に見えるのか」 という、画像診断の根本を理解するために不可欠と言えます。
ちなみに、この4つ、頭文字をとって O・C・H・N。 私は「オッチャン(OCHN)」って覚えてました!ダサいけど忘れないのでオススメです。
今日のまとめ
- 人体の質量の96%は主要4大元素でできている。
- そのメンバーは酸素(O)・炭素(C)・水素(H)・窒素(N)の4つ。
- 塩素(Cl)は重要だが「量」が少ないため、主要元素ではない。
- この基礎知識が、X線やMRIの画像の成り立ちを理解する土台となる。
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