心臓 MRI 四腔像を示す。 矢印で示す構造と直接交通している血管はどれか。

- 肺静脈
- 下大静脈
- 肺動脈幹
- 腕頭静脈
- 上行大動脈
出典:厚生労働省公開PDF(令和6年版)
3.肺動脈幹
解説
✔ まずは「部屋割り」を確定させよう!
この画像は、心臓をスパッと斜めに切って、4つの部屋(右房・左房・右室・左室)を一度に見る「四腔像(4 chamber view)」です。 どっちが右でどっちが左か、迷ったら「壁の厚さ」を見てください。
- 壁が分厚い(マッチョ):全身に血液を送るポンプ、「左心室(LV)」です。(画像の下側)
- 壁が薄い(スリム):隣にあるもう一つのポンプ、「右心室(RV)」です。(画像の上側、矢印の先)
つまり、オレンジ色の矢印が指している部屋は「右心室」だと分かります。
✔ 右心室から出る血管は?
部屋が分かれば、あとは解剖学の基本ルートを思い出すだけです。
- 全身から帰ってきた血液(上・下大静脈)が「右心房」に入る。
- 右心房から「右心室」へ移動する。
- 「右心室」からドン!と送り出されて、「肺動脈」を通って肺へ行く。
- 肺できれいになった血液(肺静脈)が「左心房」へ戻る。
- 左心房から「左心室」へ。
- 「左心室」からドカン!と送り出されて、「大動脈」を通って全身へ。
今回の矢印は「右心室」でしたね。 ここから直接つながって出ていく血管は? そう、「肺動脈(肺動脈幹)」です。

✔ 各選択肢について
1.肺静脈
- ❌ 誤り
- 肺から戻ってくる血管です。つながるのは「左心房」です。
2.下大静脈
- ❌ 誤り
- 身体の下半分から戻ってくる血管です。つながるのは「右心房」です。
3.肺動脈幹
- ✅ 正解
- 右心室から肺へ血液を送るメインパイプです。
4.腕頭静脈
- ❌ 誤り
- もっと上の、首や腕の静脈が合流する場所です。これが合わさって上大静脈になり、右心房に入ります。心臓の部屋とは直接つながりません。
5.上行大動脈
- ❌ 誤り
- 左心室から出る最強の動脈です。壁の分厚い左心室とつながっています。
出題者の“声”

この問題で試しているのは、MRIの読影力ではない。 「心臓の基本構造」が頭に入っているか、ただそれだけじゃ。
MRI画像を見て「うわ、難しそう」と思考停止してはいかん。
心臓なんて所詮はポンプじゃ。 「分厚い筋肉がある方が左(左室)」 「その相方が右(右室)」
これさえ見抜けば、あとは血流ルートの問題と同じじゃよ。
画像という「見た目」に騙されず、中身の理屈を見るんじゃ。
臨床の“目”で読む

心臓MRIは、今とてもホットな分野です。 なぜCTではなくMRIなのか?
- 「動き」と「機能」が見える
- この四腔像を動画(シネMRI)で見ると、心臓がドクンドクンと動く様子が手に取るように分かります。 壁の動きが悪い場所はないか? 弁が逆流していないか? 右心室の動きや大きさ(右室容量)を正確に測れるのは、実はエコーやCTよりもMRIが得意な分野なんです。
- 技師の腕の見せ所「断面設定」
- 心臓は体の中で斜めに寝っ転がっています。 だから、教科書通りの「水平断(Axial)」や「冠状断(Coronal)」で撮っても、きれいな四腔像にはなりません。 スカウト画像を見ながら、心臓の軸に合わせて「二腔像」「四腔像」「短軸像」と、心臓専用の断面を自由に切り出して撮影します。 この解剖が頭に入っていないと、きれいな断面が出せない…なんてことになりますよ。
今日のまとめ
- MRIの四腔像では、壁が厚い方が「左心室」、薄い方が「右心室」。
- 矢印(右心室)から出る血管は「肺動脈」。
- 左心室から出るのは「大動脈」。
- 右心房に入るのは「大静脈」、左心房に入るのは「肺静脈」。



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